由利本荘市立西目中学校

学校経営にあたって

本校は、昭和41年から毎年続けられている「少年式」に象徴される「立志の学校」である。 満年齢14歳を迎える中学2年時を人生の節目の年と捉え、生徒の成長を祝い、夢や希望を確認 する行事として続けられてきた。「西中生よ 立志の山を登れ」これは、少年式30周年を記念 して玄関前に建てられた『立志の塔』の台座に刻まれている言葉である。この言葉は、毎朝登 校する生徒を励ましている。昭和22年開校以来75年、「立志の学校」で学んだ生徒は約7,072名 を数える。また、本校では平成26年度からコミュニティ・スクールの学校として、地域の意見 を取り入れた教育活動を展開している。生徒が将来自立し地域社会に貢献できる人材になるこ とを願い、「夢を力に」して力強く生き抜くたくましさを身に付けることができるよう、保護 者や地域住民と協働して生徒を育てていきたいと考える。

  また、本校食堂には、『知行合一』と書かれた扁額がある。過去の資料によると、これは、昭和32年に創立10周年を記念して購入されたもので、当時は体育館のステージの上に掲げられていたようである。『知行合一』とは、「知ることと行うことは心の作用の両面であり、本来は表裏一体となすものである。本当の『知』とは『実践』が伴わなければならない」と、辞書には示されている。これは、ただ知っているというだけでは知識を獲得したことにはならない。実践(他者との関わりを通して主体的に問題解決する活動)が伴ってこそ、本当の知識が身に付いていくと捉えることもできる。今後も大切にしていきたいものである。

  全校生徒は140名で、全学年2学級編成である。生徒は明るく素直で協調性に富み、特に、 学校行事や生徒会活動、部活動には意欲的かつ積極的に取り組んでいる。生徒の大部分は、幼 稚園(現在はこども園)、小学校、中学校まで同じメンバーであり、幼少期から互いを知って いる生活集団である。先輩、後輩の関係性も良く、委員会活動や部活動等においては、異学年 で協力し合う姿がよく見られる。昨年度の諸調査結果においても、「相手の立場を考えて、周 りと協力しながら行動することができる」という項目で、生徒の自己評価は一番高かった。
 また、自己評価が低かったのは、「世の中の動きを自分事としてとらえ、解決方法を考えた り行動したりすることができる」という項目であった。今年度は、SDGsやNIEの取組等で世の 中の情勢に目を向け、自分事として考える機会を増やしてより一層「創造力」を高めたい。

 本校は、平成27~29年度の3年間にわたり、独立行政法人教職員支援機構委嘱事業「新たな 学びに関する教員の資質能力向上のためのプロジェクト」の実践フィールド校として、「主体 的・対話的で深い学び」について西目小学校と共同研究を行った。この研究では、育てたい資 質・能力を明確にし、授業や生徒の成長について教科の枠を超えて話し合ったことにより、チ ームによる授業づくりについて研究を深めることができた。
 さらに令和1~2年度の2年間は、文部科学省委託事業「これからの時代に求められる資質 ・能力を育むためのカリキュラム・マネジメントの在り方に関する調査研究」の研究校として、西目小学校、岩城小学校とともに、教育課程を軸とした学校教育の質の改善・充実を図るため の研究実践を行った。本校の研究テーマは「学校の教育目標等の設定及び実現に向けた取組」 であり、育てたい資質・能力を「創造力」と設定するまでの取組や「創造力」育成のためのカ リキュラムの見直し、教科等横断的な授業づくりなど、試行錯誤を重ねた結果、生徒の姿を通 して「主体的・対話的な学び」の成果が見えてきた。本校の学校教育目標は「夢を力に」であ り、立志の学校として立志三訓「希望」、「友情」、「鍛練」の目指す生徒像に近づくよう生徒 も教師も努力を続けている。今後、社会や世界の一員としてよりよい生き方を考える力を育ん でいくため、これまでの研究を継続しつつ、「育てたい資質・能力」と「目指す生徒像」、「期 待される生徒の姿」を関連付けながら学校教育目標の実現に迫っていきたい。

由利本荘市立西目中学校

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