本年度の経営にあたって

　子吉地区は、本荘平野を流れる子吉川の南側に広がる肥沃な子吉田んぼに位置している。古くから広い田んぼを取り巻くように７つの町内が点在しており、自然の恵み豊かな地区である。多くの町内では高齢化や人口減少が進んでいるが、唯一、薬師堂町内は市街地に近い地域で宅地開発が進み、かつて田んぼであった中道、二本木といった場所に住宅地が広がり、人口が増加している。現在では、薬師堂町内から通学する児童が全校児童の約３割を占めており、今後も児童数の大きな減少はないと考えられる。また、今年、創立１４９周年を迎える歴史ある子吉小学校に対する保護者や地域の方々の期待は大きく、協力的である。

　子どもたちは明るく素直で、体を動かすことを好み、恵まれた自然環境の中でのびのびと学校生活を送っている。登下校の登校班や縦割り活動で異学年での交流が多く、日常生活においても高学年が低学年に優しく接する姿を目にすることが多い。
学習に対する理解度については、教科によって差はあるものの、昨年度の県学習状況調査の通過率では、全ての教科・学年で県平均を上回っており、子どもたちには確かな学力が身に付いてきていると捉えている。しかし、自分の考えを自分の言葉で表現できる子どもは限られており、個人差が大きい。

　こうした課題や地域の実態を踏まえ，新しい時代の社会を切り拓く資質・能力を育むために、私たちは「社会に開かれた教育課程」の実現を目指し、授業改善を図らなければならない。学校運営協議会をはじめ保護者・地域と「目指す子どもの姿」を共有し、連携しながら、校訓「かしこく（知） ゆたかに（徳） たくましく（体）」の調和のとれた子どもの育成に取り組んでいく。そのために、「チーム子吉小」として心を一つにして、子ども・保護者・地域の願いや期待に応えられる、信頼される学校を目指していきたい。